2004年04月22日

散歩

相変わらず気温が上がりませんね(作者注:これは2003年7月25日に書かれたものです)。関東地方は大雨さえ降っています。今年は梅雨明けがはっきりとはしないかもしれないとのことですから、農作物への被害が心配されます。暑さが苦手な私としても、これだけ例年と違うと不安になります。いい加減、真夏のまぶしい日差しに出会いたい気分です。

こんな日本の天気とは正反対に、今年のヨーロッパはかなりお天気がよく、気温も記録的に上がっているようです。
晴れた日のオランダは本当に美しい町並みになります。もともと緑が多いということもありますが、日本に比べると緯度が高いからなのか、湿度が低いからなのか、太陽光の色が日本とは違います。樹木はくっきりと緑に輝き、花々もそれぞれの色を主張しているように見えるのです。こんな日は誰も彼も外に出て、散歩を楽しみます。
オランダは町中でも日本に比べるとずっと緑が多いのですが、住宅地になると本当に自然にあふれています。我が家が住んでいたアパートも、中庭には芝生と木々が、裏側にはちょっとした公園ほどの緑地が広がっていて、野ウサギが走り回っていました。お散歩コースには困らないのです。晴れると必ず、娘と歩き回ったものでした。

散歩に出ると沢山の人に会いました。
多いのは老夫婦。そんな年になってもしっかり腕をくんだり、手をつないだり。日本人にも見習いたいなと思う微笑ましさです。たいていは穏やかな笑みを浮かべていて、私たちにも「こんにちは」と声をかけてくれます。見知らぬ人とでもすれ違えば挨拶をかわすというのは本当に素敵な習慣ですが、残念なことに若者の間では廃れてきているようです。
ベビーカーを押すママにもよく会います。日本と違うのは、単独で歩いていることが多いことで、ベビーカーママ同士で井戸端会議という姿にはあまり出会わなかったような気がします。これは地域的なこともあるかもしれません。

もちろん、犬の散歩をする人にも沢山出会います。オランダでは犬などのペットを飼っている人がかなりの割合を占めているのではないかと感じます。それというのも、アパートなどでペットを飼うことを禁じていないからです。最近では日本でもペット可のマンションが増えましたが、まだまだ例外。ペットを飼うのは一戸建てに住む人たちのものというイメージがあります。ところが、オランダでは集合住宅でも大抵はペットを飼うことが出来るのです。オランダの人たちはペットへのしつけが厳しく、きちんとルールを守らせることでトラブルを回避しています。ペットは大抵屋内で飼われますが、「無駄ぼえしない」「他の犬に飛びついていったりしない」など、基本的なことをみっちり仕込んであります。日本のわがままなお犬様を見慣れている目には、オランダの犬の行儀の良さに驚かされます。公の場での子供の行儀の良さにも通じるところがあるのかもしれません。
ただし、何故か糞尿の始末だけは徹底されていません。散歩の際にスコップとビニール袋を持参という日本のスタイルには出会うことがないのです。湿度が低く、あっという間に乾燥してしまうという事情はあるでしょうが、まだ新しいモノを踏みつけてしまったら悲惨さは日本もオランダも変わりません。オランダ以外でも、ヨーロッパの道路を歩くときには常に足もとに気を付けなくてはいけないようです。

穏やかな日差しを浴びながら、家々の庭の眺め(時には室内のインテリア)を楽しんでいると、心が解放されていくのを感じます。わざわざ遠くまで疲れに出かけなくても、家の周りだけで十分心が満たされるのです。

散歩がしたくなるような場所。そんな街に住みたいものです。そのためには、私たち自身も色々な意味で努力しなければいけないのかもしれません。住む人だけでなく、そこを訪れる人の視点に立って窓辺や玄関周りを飾るオランダの人たちに、何か学べることがありそうです。

(2003年7月25日記)
posted by Kako at 21:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 旅行・地域
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