日本でなら、「紅茶? それともコーヒー? どちらにする?」と聞いてもらえます。ところが、オランダでは有無を言わさずコーヒーが出てきます。これには参りました。オランダ人はとにかく皆コーヒーが大好きです。食後はもちろんのこと、お茶の時間、仕事の合間、あるいは仕事中、いつでもコーヒーを飲んでいます。郵便局に行ったときなど、窓口でコーヒーカップを口に運びながら客に追い対している局員がいて驚かされました。どうも、コーヒーはかなり市民権を得ているようです。
本当かどうか調べていませんが、職場には必ずコーヒーメーカーを設置しなければ行けない法律があるのだとか。まあ、法律がなかったとしても、たいていの職場にコーヒーメーカーはありますし、コーヒーメーカーも置かないような職場に勤めようとする人はいないかもしれません。主人の職場に置いてあったコーヒーメーカーが壊れたところ、オランダ人スタッフの大半が「た、大変なことになった。仕事なんてしている場合じゃないぞ」と壊れたコーヒーメーカーのそばに集まっ深刻そうな顔をしてしまい、実際仕事にならなくなったと嘆いていたくらいですから。
電器店を覗いても、コーヒーメーカーのコーナーはかなり場所を取ってあり、一度に10人分を入れられるものまで売っています。スーパーのコーヒー売り場も様々な種類のものが並べておいてあります。リーフ式の紅茶が滅多なことでは手に入れられないのとでは大きな違いです。
オランダ人がこんなにコーヒーを好きなのは、どうもその歴史にあるようです。もともと商業の国であるオランダには様々な産物が持ち込まれやすく、コーヒーも周辺諸国に比べ早く伝わりました。その後植民地でのコーヒー栽培を経て大きな産業に発展。コーヒーの木そのものも中南米へ運び込まれ、原種となったのだそうです。
こんな環境にあって「私、コーヒーが飲めないんです」と毎回言っているわけにもいきません。仕方なくコーヒーをおそるおそる飲み始めてみたのですが、驚いたことに気分が悪くならなかったのです!
オランダのコーヒーは決して薄くありません。薄いアメリカンコーヒーをオランダ人は「薄くて飲めたもんじゃない。あれはコーヒーじゃない」と言います。オランダのコーヒーの成分が薄いはずはありません。それなのにオランダのコーヒーが飲めたのは何故なんでしょうか。とにかく、私はどこに行っても義理を欠かずにすむようになったのです。ただし、「しめしめ、体質が変わったのね」と喜んだのもつかの間、日本に戻り、日本で普通に売られているコーヒーを飲んだところやはり心臓がドキドキ・・・。日本のコーヒーとでは何かブレンドが違うのでしょうか? どなたか分かる方が居たら教えて頂きたいものです。
コーヒー以外では牛乳もよく飲むようです。それも低脂肪乳。健康に気を遣っているのかなあと思っていたのですが、彼ら曰く「だっておいしいから」。私の個人的な感想としては、日本のそれとあまり変わらず、変に甘みだけが舌に残る感じがするのですが。オランダの牛乳は特有の臭みがほとんどなくて飲みやすく、とてもおいしいのに、これをあまり飲みたがらないのが不思議です。
ジュース類などは、オランダが北寄りにあるせいでリンゴジュースなどのおいしいものがありました。近くのスーパーにはオレンジ絞り器があって、その場で絞った生ジュースを瓶に詰めてくれます。これもおいしく頂きました。
水道水も飲めますが、私はもともと水にうるさいので、やかんなどに石灰分の白いのがごっそり溜まるのをみるとあまり飲む気にはなれず、もっぱらミネラルウォーターを飲んでいました。ただ、オランダの人たちは食事にあわせて炭酸水を飲むことが多く、売られているものも炭酸水の方が多かったように思います。このミネラルウオーターにはほんのりとレモンの味がついたものなどもあって、色々試してみるのも楽しかったと言えます。
アルコール類の主流はやはりビール。とにかく安いのです。スーパーでは大手ビールーメーカーのビールがケースで買うことができますが、地ビールもおいしいようです。本当は色々とご紹介できるとよいのですが、私がアルコール類、特にビールが苦手なので、下手なことを書くことができません。すぐ酔っぱらってしまうということだけでなく、炭酸類を飲み込むときに喉が痛くてたまらないのです。いっぺんにゴクッゴクッと喉を鳴らして飲み込めないのは、喉が一般の人に比べてかなり敏感なせいじゃないかとにらんでいるのですが、そんなことってあるのでしょうか? これもご存じの方、お教え下さい。
まあ、それでも飲んでみての感想は、「ビールはこの乾いた地で飲む方がおいしく感じる」ということ。料理にしろ、飲み物にしろ、それが出来た地域で食べたり飲んだりする方が、その土地の空気にマッチしておいしいのではないでしょうか? 日本酒のように、様々な地域で色々なタイプの地ビールがあるそうですから、オランダに来たなら是非試してみて下さい。
もちろん、ワインも安く手に入ります。ワイン店には高級なワインも沢山陳列されています(もちろん、日本よりもぐっと安い!)し、ドイツなどで飲まれるグリューワイン(スパイスを入れたもので温めて飲む)も、冬にはおいしいです。芯から温まってぐっすり寝られます。
翻って、オランダの人の目に日本の飲み物はどううつるでしょうか? 日本茶などに対しては、砂糖が入っていないというのがどうも妙に感じられるようです。日本人は水の味そのものを楽しむところがありますが、大陸の人たちにそういう感覚はないのかもしれません。
また、オランダの友人に「日本でもワインは作られているんだよ」という話をしたら心底驚いていて、「今度日本から来るときには是非持ってきて」と言われました。案外面白いお土産になるかもしれませんね。
それから、日本のレストランで何も言わなくても出てくるお水やお茶。あれも欧米人には不思議に映るようです。もともとお茶はお団子やお菓子についてくるものという考えからきているのでしょうか。それそのものが目的である欧米人とは、飲み物への価値観が違うのかもしれません。
日本へ帰って、どこででもお茶のペットボトルを手に入れることにほっとしながらも、オランダのコーヒーが無性に懐かしくなることがあります。それだけ沢山飲んでいたと言うことでしょうか。オランダから日本に戻る友人に「何か欲しいものある?」と聞かれると「コーヒー」と答える私になっていました。先日、日本のある高級スーパーでそれを見つけ、大喜びで手を伸ばしていたのでした。
(2003年11月21日記)
初ヨーロッパ、しかも一人旅行が初めてなので不安でしたが、この雑記帳を読み、何だかオランダが身近に感じれるようになりました。
もちろん言葉も話せないし、不安もたくさんありますが、今は早く行きたくて仕方ありません。
本当に、このHPに出会えて感謝です。
ところで、一つ教えて頂けますか?
まだホテルをとっていないのですが、アムステルダムに宿泊する際のホテル選びの注意点などありましたら、是非教えて下さい。
更新楽しみにしています!!
オランダに良いイメージを持って頂けたようで、とてもうれしいです。
私自身はマラソンにまったく縁のない生活でしたしが、市庁舎前に特設の観客席が作られていた記憶があって、「あれがロッテルダムマラソンだったのかなあ」という感じです。まるでお祭りのようで、その雰囲気だけでも楽しそうでしたよ。
アムスのホテルに関しては、すみません、よく分かりません。ただ、欧米のどの都市もそうであるように、地域による治安の善し悪しの差があります。その辺は調べておかれるとよいと思います。特にアムスは様々な国から人が集まっていますので、あまりに安い宿はどうかと・・・。
アムスにお泊まりのようですが、もしロッテに宿泊ということになると慢性的に不足していますので、早めの予約をお薦めします。
オランダ滞在が有意義なものになりますように!
追伸
申し訳ありませんが、このblogは当分更新の予定がありません。何しろ、もうオランダに住んでいるわけではありませんので・・・。